君色のソナチネ




「…ってことで、文化祭と、ミュージカルについてはみんな、理解した?」


今、一通り説明を終えたところ。




「理解したけどよ、それ、かなり大変ていうか、ハードだな。」

宮田が呟く。


「本当にできるのかな…。」

樹音も呟く。


「かなり、難しいよ。
しかも、わざわざ練習する時間もさかなきゃならなくなるね。
自分の係だけでも、大変なのに。」

そんな事まで言いだした、あっちゃん。


それを言われると、何も言えなくなっちゃうんだけどな…。


練習したいのはみんな同じで、でも、文化祭の準備の為に調整したりして、頑張って時間を空けようとしてくれてるのに。


そんな、もともこもないような事言っても、決まってることだからどうしようもないのに。


もう少し、考えて発言してくれてもいいんじゃないかな…。




何も言えなくなって、内心ちょっとだけ凹んでいると、今まで隣で黙って目を瞑り、偉そうに立っていた神峰が口を開いた。





< 62 / 278 >

この作品をシェア

pagetop