君色のソナチネ




「奏、お前、そうだったのかぁ〜‼︎

そっかそっか、頑張れよ。
応援してるぞ。」



ニヤニヤしながら言う宮田。

言われた神峰は、怪訝そうに宮田を睨んでる。

訳が分からない。



…''頑張れよ''ってことは、全部私任せ?


そんなことを思っていると、


「それと、水姫、さっきはゴメンな!

大変なことこそ、みんなで乗り越えなきゃな‼︎

何でもやるから、いつでも声かけてくれ‼︎

絶対遠慮すんなよ。」


あっ、違うんだ。
よかった、ホッとした。

でも、さっきのは何だったのかな…。


そんな事なんて考える暇なく、


「そうよ、純怜。
いつでも私を使って。
私も、なるべく、自分でやれること見つけてやるようにするから。」


「っ華菜…。ありがとう。」


''何言ってんのよ。当たり前じゃないの。''

華菜の顔が、ちょっとだけ怒った顔になった後、優しく微笑んでくれた。


「純怜、ごめんね。
不安なのは純怜のほうだよね。
私も、純怜を支えられるように頑張るよ。」


謝りながらも、そういってくれる樹音。

ありがたいなぁ。


「私達も、頑張るわ。
ほら、篤実も頑張れるよね‼︎」


ゆきちゃんも、そう言ってくれる。

あっちゃんは、ぷいっと横を向いたけれど、笑いながら、少しだけ頷いてくれた。

あっちゃん、神峰に結構厳しいこと言われたから、傷ついてないかなぁ、って心配したけれど、大丈夫みたい。

まぁ、神峰の言っていることは、正しいからしょうがないんだけど、もう少し柔らかく言えないのかね。

まぁでも、やっぱり音楽やってると多少何言われても傷つかなくなるのかな。

取り敢えずは、安心した。


「…俺も、忘れんなよ。」

「忘れるわけないじゃん。根崎は、うちのクラスの貴重な戦力です。」


よかった。

さっきの、ちょっとピリッとした空気も無くなって、明るいいつもの雰囲気に戻ったみたい。


「みんなの役割を決めてみたから、今から言うね。なんか意見あったら、いってね〜‼︎

えっと、取り敢えずミュージカルしか決めてないんだけど、

脚本・演出
ピアノ専攻の神峰。

作詞・セリフ
声楽専攻のあっちゃんとゆきちゃん。

作曲(主となるコード進行)
作曲専攻の根崎。

作曲(メロディーライン)
ヴァイオリン専攻の華菜。

作曲(細かな飾り)
ピアノ専攻の私。

ダンスの振り付け
管楽器(サックス)専攻の宮田。

衣装・小道具
管楽器(フルート)専攻の樹音。

以上なんだけど、みんなどう?」


…「「おぉー!ぴったりじゃねぇか(ない)っ!」」…


うん、みんな納得したみたい。

よく分からないけど、流石神峰。

みんなが納得してくれたみたいで良かった。

「それと、ミュージカルの内容を決めたかったけど、時間がなくなっちゃったから、明日話そう。

物語の舞台、時代、ジャンルとか、考えてきて‼︎」


…「「りょうかーい」」…


「みんな、頑張ってミュージカル部門で1番目指そうね‼︎」


…「「おぉー‼︎」」…


こんなに、クラスがまとまるとは思わなかった。

悔しいけど、これも神峰のおかげ。

最近助けてもらってばかりだなぁ。











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