君色のソナチネ
ー純怜sideー
お風呂上がり。髪も乾かさずに肩にタオルをかけてる。
自分の部屋の机に向かって、ミュージカルの台本を読んでるんだけど…
…やっぱりいまいちよく掴めないというか、問題のあのシーン、どう演じていいか分からない。
だいたい、今までもこれからも、ピアノをやっていくから、恋愛とは無関係だし、恋愛は私には必要のない事、むしろ邪魔者だと思っていたのに。
だから勿論、今まで彼氏なんていたことないし、好きっていう気持ちさえ知らない。
そんな私にこんなの出来っこないじゃん。
まぁでも、みんなはこんな私の私情なんて知らないから、ミュージカルの主役にされても仕方ないのかなぁ。
…こんなこと思ってても何も始まらないし、取り敢えずもう一度最初から読んでみるか。
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