恋色シンフォニー

ふわっと背後が温かくなる。
背中いっぱいに三神くんの体温を感じる。
耳元に吐息が落ちてくる。

空気が変わった。
ほのぼのした雰囲気から一転。
濃密な時間を予感させるものへ。

……きた。
きたな、三神くん。

「そのほうが、感じやすくなる」

耳元で落とされた爆弾。
心の準備を、あっけなく打ち砕くほどの破壊力だった。

身体の奥が、ズキンと共鳴する。

「検証してみる?」

耳元で唇が動いたと思ったら、耳を舐められた。
途端。
全身を、甘い痺れが走り抜ける。

「んっ……」

やば。
それだけなのに、甘い声が出てしまった。

身体が女であることを主張し始める。

「……ほら、ね。もうこんなになってる」

「し、信じられない、このどスケベ!」

ああ。
もう。
どうなの、こんな腹黒くてエッチな彼氏って⁉︎

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