恋色シンフォニー
だけど、小さなカフェ。
狭い店内では、会話が漏れ聞こえてくる。
「彼が今回のコンマス」
「をー、すごい出世じゃん!」
「ふふふ。でもまだ肩書きはアシスタントコンマスなの。いつものトップメンバーが出ない今回のチャンスをモノにしたいんだぁ。マリちゃんだってそうでしょ?」
「もちろん。プロオケを振らせてもらえるチャンスだもの、大事にするわよ」
早瀬さんはまだ28歳。
彼女の生きる世界では、はっきり言ってまだまだ小娘だ。
この間の定演のプロフィールによれば、コンクールで実績を積んできているみたいだけど、だからといって、ほいほいとプロのオーケストラを指揮できるわけではない。
「それに、中高生だからって、なめた演奏できないもの。私達がそれくらいの頃、思い出してご覧なさいよ。小生意気だったでしょう?」
「それはマリだけ」
……ちょっと待った。
今、三神くん、何て言った?
狭い店内では、会話が漏れ聞こえてくる。
「彼が今回のコンマス」
「をー、すごい出世じゃん!」
「ふふふ。でもまだ肩書きはアシスタントコンマスなの。いつものトップメンバーが出ない今回のチャンスをモノにしたいんだぁ。マリちゃんだってそうでしょ?」
「もちろん。プロオケを振らせてもらえるチャンスだもの、大事にするわよ」
早瀬さんはまだ28歳。
彼女の生きる世界では、はっきり言ってまだまだ小娘だ。
この間の定演のプロフィールによれば、コンクールで実績を積んできているみたいだけど、だからといって、ほいほいとプロのオーケストラを指揮できるわけではない。
「それに、中高生だからって、なめた演奏できないもの。私達がそれくらいの頃、思い出してご覧なさいよ。小生意気だったでしょう?」
「それはマリだけ」
……ちょっと待った。
今、三神くん、何て言った?