恋色シンフォニー
「それに、彼氏に怒られない?」
「……いませんので」
イラっ。
別れた話は割と有名ですが、ご存知ない? 嫌味か⁉︎

もう、今日の仕事はあきらめた。
こいつと2人でいたら仕事にならない。
パソコンの電源を落とし、デスクを片付ける。

初めてこんなに三神くんと話した。

が、嫌な奴だということがわかった。
気分は悪いけど、ひとつ収穫だ。
もう、個人的な話はするもんか。

今度はこちらが壁を作る番だ。
三神くんとの間に、分厚い、高い壁を作ろう。

「お先に」
立ち上がり、ドアに向かう私に、三神くんが言った。

「音楽聴くなら、家のオーディオで聴いたら? スマホじゃ音質悪いでしょ」

「……余計なお世話」


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