恋色シンフォニー
♫
日曜日18時。
「こんばんは」
玄関に姿を見せた三神くん。
ボストンバッグを提げ、ヴァイオリンケースを肩にかけてる姿が、ものすごくかっこよくて、ドギマギしてしまう。
「いっ、いらっしゃい。楽器、どこ置こうか? ここじゃ暑いけど、急激な温度変化もよくないと思うしっ」
「ここでいいよ」
三神くんは廊下にそっとヴァイオリンケースを横たえる。
うわー、高い楽器なのに、床に直置きだなんてごめんなさい。
三神くんは立ったまま動かない。あれ?
「お邪魔してもいい?」
「ご、ごめんっ。どうぞどうぞ。狭い部屋ですが」
まずい。自分、テンパってる。
「お邪魔します」
三神くんは靴を脱ぎ、揃えて、スリッパを履いて、荷物を床に降ろして、
私の前に立った。
3週間ぶりにちゃんとプライベートな顔を見る。
優しい微笑み。
ああ。やっぱりかっこいいや。