恋色シンフォニー
でも。
オケの話とか。
仕事の話とか。
会話は途切れることなく。
この間の飲み会から思ってたけど、三神くんと話すと、話が合って、楽しいんだよね……
ってちょっと待った。
楽しい?
楽しい……?
いやいや。
趣味が合う友達として、だから。
うん。
♫
「2人一緒でお願いします」
レジでそう言うと、おかみさんは少し驚いた顔をした後、満面の笑みになった。
あの、何か勘違いされてませんか?
「ありがとうございました〜。またお待ちしてま〜す」
おかみさんと、厨房からわざわざ出てきてくれたご主人が並んで、ニコニコしながら見送ってくれた。
「ごちそうさま」
「どういたしまして」
三神くんを車に乗せ、会社の駐車場まで戻る。
「練習時間、少なくなっちゃったね」
「作って片付ける手間考えたら、それほど変わらないよ」
そんなことないと思うけどなぁ。
「ということで、これから、月曜日にごはんに行くからね」
「行くからね、って、決定⁉︎ 月曜日って忙しいんだけど!」
「がんばって仕事終わらせてよ」
「軽く言ってくれるじゃないの」
「じゃあ、休みの日にする?」
「……月曜日で結構です」
悔しい悔しい!
しばらく断酒だ。