恋色シンフォニー

でも。
オケの話とか。
仕事の話とか。
会話は途切れることなく。

この間の飲み会から思ってたけど、三神くんと話すと、話が合って、楽しいんだよね……

ってちょっと待った。

楽しい?

楽しい……?
いやいや。
趣味が合う友達として、だから。
うん。



「2人一緒でお願いします」
レジでそう言うと、おかみさんは少し驚いた顔をした後、満面の笑みになった。
あの、何か勘違いされてませんか?
「ありがとうございました〜。またお待ちしてま〜す」
おかみさんと、厨房からわざわざ出てきてくれたご主人が並んで、ニコニコしながら見送ってくれた。

「ごちそうさま」
「どういたしまして」
三神くんを車に乗せ、会社の駐車場まで戻る。
「練習時間、少なくなっちゃったね」
「作って片付ける手間考えたら、それほど変わらないよ」
そんなことないと思うけどなぁ。
「ということで、これから、月曜日にごはんに行くからね」
「行くからね、って、決定⁉︎ 月曜日って忙しいんだけど!」
「がんばって仕事終わらせてよ」
「軽く言ってくれるじゃないの」
「じゃあ、休みの日にする?」
「……月曜日で結構です」
悔しい悔しい!
しばらく断酒だ。
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