恋色シンフォニー
途端!

世界がひっくり返った!

……ほんとに世界がひっくり返った、わけはなく。
体を仰向けにひっくり返され、ベッドに沈みこんでいた。
三神くんが私を組み敷いている。
朝から色っぽい雰囲気を醸し出すのはどうかと思う。

「おはよう、綾乃」

これがおはようを言う姿勢だろうか。

「起きてたの?」
「6時には起きて、基礎練済ませた」
さすがだ。
「ジョギングは?」
「今日はお休み。だって今から運動するもん」
「……そうだ。キスマーク、見えるところにつけるの、やめてよね」
「えー、お揃いでいいでしょ?」

三神くんは笑いながら、私の鎖骨をペロリと舐める。
柔らかい髪の毛が、顎をくすぐる。
あー、気持ちいいなぁ。

「ゆうべ、すぐに寝ちゃった罰。覚悟はいい?」
「よくない。体のあちこちが痛いから、お手柔らかにお願いします」
「善処します」

夢と憧れを重ねた人は、
本性はそんな高尚なものじゃなく、
かーなーり、俗っぽいけど、
まあ、
人間らしくて、いいか。

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