さくら、ひらひら。
あの頃。

誰にも言えない。
この気持ちは、誰にも。

何だって話してきてこれた。
何だって相談できた。
秘密なんて、何一つなかったんだ。


……この気持ちを知るまでは。



自分の中に生まれた感情に囚われる。
真っ白だった心が、少しずつ、色を変えていく。
単色から色を重ねて、複雑に色味を増していく。

美しくも、醜くも、混ざり合うなかで知っていく。



それは“大人になる”と言うことと、もしかしたら、同義なのかもしれない。


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