さくら、ひらひら。
ぶつかって玉砕するのも、言えずに燻り続けるのも、すべては自分が出した答えだ。
ぶつかれる梓を潔いと尊敬するし、かといって、言えない想いを抱えている自分を悲観する気もない。
ただ静かに、消化するのを待つ。
それが私が出した結論だ。

二人とも、好きだから。
この関係が、とても、好きだから。
そう言い訳して、臆病な自分には見て見ぬふりをする。



三年生になってしばらく。
梓が、小泉くんの方をよく見るようになった。
その変化は、他の人からしたら、何でもないことかもしれないことで。
でも、私にとっては、大きなきっかけになったことは間違いない。

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