さくら、ひらひら。
15歳、春。
校庭の片隅に、ずっとこの学校を見守ってきた桜の木がある。
グラウンドの端、校舎の横。
正門からは見えなくて、駐輪スペースから昇降口に向かう、その向こうにその木はあった。
私たちが入学した日は、式典にふさわしい日本晴れとはいかなかったが、しとしとと降り続く雨の中で見事に一本、凛と立っていた。
入学式を終え、緊張から解き放たれた私達、新入生の笑い声が、しとしと降る雨に吸い取られていくのを、その桜は温かく見守っていてくれたように思う。
グラウンドの端、校舎の横。
正門からは見えなくて、駐輪スペースから昇降口に向かう、その向こうにその木はあった。
私たちが入学した日は、式典にふさわしい日本晴れとはいかなかったが、しとしとと降り続く雨の中で見事に一本、凛と立っていた。
入学式を終え、緊張から解き放たれた私達、新入生の笑い声が、しとしと降る雨に吸い取られていくのを、その桜は温かく見守っていてくれたように思う。