さくら、ひらひら。
梓の気持ちの変化に気付いても、小泉くんの気持ちが変わらないことを知っていても……
私の気持ちもまだ変わらずに、いた。

相変わらず、誰にも何も言えない日々。
梓に、私の気持ちを先に言うのはフェアじゃない。
そんな風に、言い訳をして。

けれど梓も私に気持ちを話すわけでもない。
彼女はいつも、きちんと自分自身で答えを見つけてから真正面からぶつかっていくから。
先輩の時のように。
だから、今はあの子のタイミングが、私に話すときじゃないんだな、と思う。

けれどそれを良いことに、延び続けているのは私の執行猶予期間。

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