さくら、ひらひら。
ぶつかって、砕けてしまえば、本当は楽になれるのかもしれない。
梓に言わずに、ぶつかって玉砕して、梓に何も言わなければ、それで彼女も真正面からぶつかっていけるのかもしれない。


だけど……
もし私が、振られたときに言わなかったら、梓はきっと怒るだろう。
一緒に泣くんだろう。
そういう子だから。

でも、その先の梓の行動がわからなくて。
それでも自分もぶつかりに行くのか、諦めてしまうのか。
分からなくて。
そしてそのときの自分が、背中を押してあげられるのか、が一番分からなくて。

< 22 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop