さくら、ひらひら。
女の子ならきっと言ってくれないし、他の男の子も言ってくれるかわからない。
そんな言葉を、海斗はくれた。

その言葉は胸にストンと落ちてきたし、ビックリするくらい素直に涙が溢れてきた。
自暴自棄になっていた時間もある。
こんな自分には、なんて卑屈になってしまった時間もある。
もう恋なんてできなくて、梓のような親友にも会えないのかも、そんなことを思った時間もある。

けれど、その時間のどれも、ずっと燻り続けて、泣くことができずにいた。
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