さくら、ひらひら。
人々の山を潜り抜けれは立食型のパーティーらしく、料理の数々が並ぶ。
唯一禁止されている仮装『黒い魔女』は、スタッフの衣装だ。
その中でも、ごく数人の『篭を持った黒い魔女』に「トリック・オア・トリート!」と合言葉を言えばお菓子をもらえる。
それも、コンビニなんかのものではなくて、ちょっと有名店のものだったりするから、さりげなく女性陣が目を光らせている。
僕と桜と香澄先輩は皿にいくつか料理を乗せて壁際に用意された椅子に座って、食事をとっていた。
スッと動いた人影からのぞいた黒い魔女が持つかぼちゃの篭。
ひょい、と体を傾けて確認すると、間違いない。
話に夢中になっている桜と香澄先輩はその魔女に気づく様子が全くない。
「…トリック・オア・トリート?」
僕が呟くと、香澄先輩がさっと顔を上げる。
ふわりと、その髪が揺れる。
続いて、桜も顔をあげて僕を見る。
その瞳が期待で満ちている。
僕は無言でスッと指差した。
唯一禁止されている仮装『黒い魔女』は、スタッフの衣装だ。
その中でも、ごく数人の『篭を持った黒い魔女』に「トリック・オア・トリート!」と合言葉を言えばお菓子をもらえる。
それも、コンビニなんかのものではなくて、ちょっと有名店のものだったりするから、さりげなく女性陣が目を光らせている。
僕と桜と香澄先輩は皿にいくつか料理を乗せて壁際に用意された椅子に座って、食事をとっていた。
スッと動いた人影からのぞいた黒い魔女が持つかぼちゃの篭。
ひょい、と体を傾けて確認すると、間違いない。
話に夢中になっている桜と香澄先輩はその魔女に気づく様子が全くない。
「…トリック・オア・トリート?」
僕が呟くと、香澄先輩がさっと顔を上げる。
ふわりと、その髪が揺れる。
続いて、桜も顔をあげて僕を見る。
その瞳が期待で満ちている。
僕は無言でスッと指差した。