さくら、ひらひら。
どうして。
どうして見つけてしまったんだろう。
海斗が“あの人”と抱き合う姿を。
あの人のことを、海斗が好きだった、ということは知っている。
気になり出したきっかけも、あの頃と同じような苦しみも、あの人がいたからだった。
それでも海斗は、私を選んでくれたんじゃないの?
言いようの無い不安が私を急激に襲うのがわかる。
そしてその分だけ、冷静になっていくのがわかる。
窓の枠がまるで額縁のように、二人を切り取る。
外界の銀世界の象徴と相まって、一枚の絵画のようだ。
ひどく。
ひどく、綺麗。
かぁ、と、頬が熱くなった。
体を離した二人が会話を始めた。