さくら、ひらひら。


この風が運んで来たのは
ひとひらの桜の花びらと
君との思い出だった――…



麗らかな春の優しい風に乗り、一枚の花びらがヒラヒラと舞う。
その花びらはヒラリハラリと踊り続け、やがて地面に着地した。

僕は立ち止まり、しばらくその花びらを見つめてみる。
しゃがみこんでその花びらを手に取ると自然と顔が穏やかな笑顔になるのが分かった。



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