恋の指導は業務のあとに
若葉のサプライズ~side羽生~
『イケガキワカバ』
その名前を彼女が言ったとき、少なからず運命を感じた。
何故なら、事前に知らされていた新入社員の名前と同じだったからだ。
その後、素直な彼女に惹かれていくと、その言葉は俺の中で重みを増していった。
“運命”などという言葉は、夢見る女が使うものだと思っていたが──
「あ・・・ん・・ん、はにゅうさん」
日付も変わろうとする静かなひと時に、若葉が切なげに漏らす甘い声とベッドのきしむ音が連動して部屋の中に響く。
ベッド脇にあるグリーンのカーテンは、俺が動きを強めると同時に小刻みに揺れ始めた。
苦しげに息をしながら達した彼女の柔らかな膨らみにくちづけ、赤い所有印を残す。
花弁のように付いた痕は、白い肌には格別妖艶に映える。
下着に隠れる位置を気遣うが、後で怒られることが多い。
『恥ずかしいんです~!』と半泣きで言うから、『俺以外の誰に、そこを見せるつもりだ?』と睨めば顔を赤くして口ごもる。
愛する女に印を付けたいと思うのは男の性で、どうにも止められないことだ。許せ。
「若葉?いいか?まだだぞ」
頬を紅潮させてうつろな目をする若葉にささやきかけると、瞳に焦りの色が浮かんだ。
「え・・・まだって・・・そん・・・」
口答えしそうな彼女の唇を塞いで舌を絡め、思考を奪う。
再びぐったりした細い体を膝の上にのせてゆっくり甘やかすと、再び熱い吐息を漏らし始めた。
柔らかな白い肌はうっすらとピンク色に染まり、何度も俺の名前を呼びながら体を震わせる。
しがみついてくる重みを感じながら、俺も一緒に満足感を味わった。