婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
結婚記念日
「圭司 今日は何の日か覚えてる?」
朝の玄関で、ニコニコと尋ねる私に
「さあ 何だっけ?」と圭司が首を傾げた。
思わず「えっ?」と声を上げた私に、圭司はクスッと笑った。
「うそうそ 今日は俺達の結婚記念日だろ?
ちゃんと覚えてるよ。今日は早く帰ってくるから、二人でお祝いしような?」
圭司はそう言うと、私の頬に手を添えて唇に軽くキスをした。
「じゃあ なつ 行ってくるな…。」
圭司はいつものように、笑顔で仕事へと出かけていった。
結婚して今日で5年が経つ。
いろんな事があったけれど、そのたびに私たちの絆はどんどん深くなっていった。
本当に圭司と出会えて良かったな…。
玄関に飾ってある、結婚式の写真をしばらく手に取りながら、私は圭司との日々を思い返していた。
今日は、仕事もお休みだから、ゆっくりと準備ができる。
メインのスペアリブも昨日のうちにつけこんでおいたし…。
あとは、美味しいワインでも買いに行こうかな…。
私は浮かれながら、今日の予定を考えた。
◇◇◇◇
買い物から帰ってくると、リビングで電話が鳴っていた。
私は急いで靴を脱ぎ、慌ててリビングへと走った。
「はい 瀬崎です…。」
「こちら 慶明総合病院ですが…瀬崎圭司さんの奥様ですか? 実は、ご主人様が交通事故でこちらに運ばれまして…」
えっ…!
あまりの衝撃に、私は持っていた受話器を落としてしまった。
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