婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
守りたいもの

私が不妊治療を始めてから、もうすぐ 一年が過ぎようとしていた…。

今回こそはと、期待して病院に行くのだけれど
毎回その期待は裏切られてしまって…

長期戦になることは、覚悟していたつもりだけど、先の見えない現状に不安と焦りを感じ始めていた。

だからこそ、今夜は、いつも以上に頑張りたかったのに…

こんな大事な日に、圭司は私を拒んだ。

「ねえ どうして抱いてくれないの? せっかく 今日はチャンスなのに… 圭司は赤ちゃん欲しくないの? それとも、もう 私とエッチするのが嫌になっちゃった?」

ベッドの中で、私は圭司の肩を揺さぶった。

「そんなんじゃなくて… これ以上、なつに無理させたくないからだよ 明日さ 俺 会社休むから、一緒に病院行かないか?」

圭司の言葉にドキッとした。
そっか 圭司は気づいてるのか… 
私の体の異変に…。

私は、ここ最近 下腹部に痛みと違和感を感じていた…
でも…

「何のこと? どうして 病院に行くの?」

私は惚けながら、首をかしげた。
圭司はそんな私の顔を、心配そうに見つめた。

「なつ ここ最近 エッチの時、お腹痛いの我慢してるだろ? 今日は顔色も悪いし… とにかく 明日 診てもらおう 薬の副作用かもしれないんだから…」

「でも 大したことないから大丈夫だよ… お願い 今夜は私を抱いて…」

私はすがるように、圭司の胸にしがみついた。

「なつ  気持ちは分かるけど、明日、診てもらって大丈夫だったらにしよう。 な?」

圭司は私の髪を優しく撫でながら、なだめるようにそう言った。

確かに、医者からはお腹の痛みや違和感を感じたら、すぐに病院に来るように言われていた。

私が投与してる排卵誘発剤は、卵巣過剰刺激症候群という副作用を起こすリスクがあるのだそうだ…。

もし このお腹の痛みがその副作用によるものだったら、もう不妊治療はおしまいだ…。

それなら、なおさら 今夜のチャンスを逃す訳にはいかない。

多少無理してでも、早く赤ちゃんを作りたい。












 









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