婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「えつ いいよ 圭司ケガしてるんだから。」
「あー でも 来週にはギブスも取れるし、見た目ほど大袈裟じゃないから…。」
「でも…。」
「いいから いいから ほら 早く食べないと遅刻しちゃうんじゃない? 何時に出るの?」
「えっ あ…!」
圭司に言われて時計を見れば、けっこう ギリギリの時間になっていた。
マズい!
「ごめん 圭司! 私 もう 行かなきゃ!」
私は慌てて席を立った。
「それじゃ 行ってくるね!」
バタバタと家を出ようとした所で、圭司に呼び止められた。
「なつ! ストッキング電線してる!」
「えっ! あ ホントだ でも 時間ないから向こうで履き替える!」
「待った! なつ そのワンピースも後ろ開いてるよ ほら やってあげるからおいで!」
えっ!
あー そうだった いつも 届かないところは圭司にお願いしてたから、つい 癖で空けたままにしちゃってたんだ!
「ありがと 圭司 それじゃ行ってきます!」
「なつ 慌てずゆっくりな 車に気をつけるんだぞ!」
「はい…」
もう しまいには、お父さんに心配される娘のようになってしまった…。
どうして私って、いつもこうなのだろう…。
私は深いため息をつきながら、駅までの道を急いだ。