婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「へー 松井くん 彼女出来てたんだ~ 可愛いね ねえ 年下? ホテルの子かな? いつからつき合ってるの?」
予想外だった松井くんの彼女います宣言に、ついつい 私も興奮してしまった。
「すごい 食いつき方だな… 年は2コ下の後輩…。もう 一年くらいかな? 今は遠距離になっちゃったけどな。まあ だからさ 安心して俺に相談しろよ もう 前回みたいなことにはならないからさ! それに 俺はいつまでもおまえの味方だって約束しただろ?」
「いや やっぱり 遠慮しとく…。 松井くん 余計な事しそうだから…。」
「余計なことなんてしないから…。」
松井くんのしつこさに負けて、私は渋々 圭司のことを話した。
「なんだよ それ… 10年間の記憶だけ無いのかよ! よりにもよって、また あの女が絡んでるのか! そりゃ 最悪だな…。」
「うん…。」
ショボンとしょげる私を見て、松井くんは慌てて言い直した。
「いや でもさ! いくら あの女の事が好きって言ったって、今 ロシアにいるんだろ?
それに 記憶が戻らなくても、一緒に住んでるうちになつの良さが分かってくるって 時間の問題だよ。もっと 自信もてよ!」
「でもね 松井くん 私 頑張ろうとするほど空回りしちゃって…同居一日目にして、すでに父娘のような関係になりつつあるんだよ…。」
私は今朝の失態を思い出し、はーとため息をついた。