婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「見て見て! これ 私達の結婚式だよ。この教会ね圭司が私に内緒で予約してくれてたんだよ。懐かしいな…。」
あの時も色々あったけれど、写真の中の私達はとても幸せそうだ。
「これって なつのご両親?」
「あっ そうそう 今はね ハワイに家買ってそこで暮らしてるの…。」
「へえ~。」
圭司はしばらくの間、アルバルの中の写真を一枚一枚、じっくりと見つめていた。
「ん? これは何?」
圭司はアルバムに挟まっていた白い封筒を手に取って、不思議そうに首を傾げた。
「えっ? あー それはダメ!」
私の声も虚しく、圭司は封筒の中から、一枚の写真を取り出してしまった。
うわっ
しまった!
処分しとくべきだった。
圭司が手にしたその写真には、ウエディングドレスの私とタキシード姿の松井くんが、しっかりと腕まで組んで映っていた…。
圭司はその写真を見ながら、一言呟いた。
「なつってさ… バツイチ?」
「違う 違う! これ 違う!」
あたふたする私は、うまく言葉が出てこない。