婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「えっとね それ 松井くんっていう私の同期なの… 企画の参考にと思って、一緒によそのブライダルフェアに行ったら…ちょうどドレスの試着会やってて、こんな事に…。ごめんね 捨てようと思ってたのに…。」
「ふーん 別に捨てることないんじゃない? よく撮れてるし…。俺 こういうの気にしないから…。」
圭司は余裕の笑みを浮かべて、写真を封筒へと戻した。
えっ うそ…。
なんで 笑ってるの?
そこはヤキモチやくところだよ…。
昔 圭司は、めちゃくちゃ気分悪いって怒ってたじゃない!
ねえ 圭司…
これが 芹香さんなら、ちゃんと怒ってた?
私は、なんともいえない惨めな気持ちになった…。
涙を堪えながら、私はアルバムの中の圭司を見つめた。
どの写真も、圭司は私にベッタリだ。
この頃の圭司に…会いたいよ。
「あっ そうだ なつ! お願いがあるんだけど…。」
私は、圭司の言葉に顔を上げた。
「お願い…?」
「うん 悪いんだけど、一緒にお風呂入ってくれないかな? さすがに、これ濡れちゃうとまずいから…。」
そっか…。
圭司は、ひとりじゃ無理だもんね…。
「うん いいけど。この格好だと服濡れちゃうから、私 Tシャツと短パンに着替えてくるね」
「えっ? いいよ どうせなら なつも ついでに入っちゃいなよ 夫婦なんだから別に平気だろ? 今までだって一緒に入ったことくらいあるだろうし… 今更 恥ずかしがることでも…」
その瞬間、私の中で何かがプチンと切れた。
「やだ 今の圭司には、裸見せたくない!
私達 夫婦でも、恋人同士でも何でもないんだから…。」
「えっ…」
気づくと私は、とんでもないことを口走っていた…。