婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

夏樹さんと一緒にエレベーターに乗って、最上階へと向かった。

「へー 結構いいマンションじゃん!」

買い物袋を持ちながら夏樹さんが言った。

「うん 圭司がもともと住んでたマンションなの…。」

「あいつ ホストやってた頃 すげー稼いでたもんな~」

当時を振り返るように、夏樹さんが言った。

「夏樹さん言ってたもんね 響はお金持ちじゃないと相手にしなかったって…。」

「あー それね 相手にしなかったんじゃなくて、女の子が無理して自分に貢がないようにわざと冷たくあしらってたんだよ…。けっこう多いからさ…ホストに貢ぐ為に水商売に走っちゃう子…。響は、金持ってる奴からしか貢がせなかったな…後輩が指名取れるように自らヘルプにまわったりもしてたし、下からも慕われてたよ。だから 俺 あいつを認めたんだよ…初めはNo.1奪われて、潰してろうかと思ったけどさ…。」

照れたように夏樹さんが笑った。  

「へー そうだったの。」

「それよりさ どんな感じなの? あいつ 俺のことも全然わかんないんでしょ?」

「うん 写真は見せたんだけどね…。あっ 夏樹さんのこと仲のいい親友って言ってあるからよろしくね。」

「マジか…。」

夏樹さんが、苦笑いをした。

ちょうどエレベーターが最上階へと到着した。

やっぱり スーパーの袋と夏樹さんは、廊下ですれ違った住人を振り向かせてしまうほど、ミスマッチな組み合わせだった。
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