婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「ただいま…圭司 あっ こちら夏樹さん 途中で会って車に乗せてきてもらったの…。ゆずちゃん達は少し遅れるみたい…。」
玄関に出迎えた圭司に、夏樹さんを紹介した。
「おう 響! 久しぶりだな って やっぱ 分かんねーのか…俺のこと」
あまり反応のない圭司に、夏樹さんがふーとため息をもらした。
「あー 夏樹さんだっけ ごめんね 全く覚えてなくて…たいしたとこじゃないけど中へどうぞ…。」
爽やかな笑みを浮かべながら、圭司は夏樹さんをリビングへと通した。
「なんか 気持ち悪りーな…夏樹でいいし 俺に爽やかに笑うなよ…ほら 俺 なつさんの1メートル以内に入ってるぞ! 怒っていいぞ」
「はっ?」
圭司は眉間に皺をよせながら夏樹さんを見た。
「あ あのね 圭司はいつも、夏樹さんが私の半径1メートル以内に入ると怒ってたから…」
「何で?」
「そりゃ おまえが嫉妬深い男だからだよ!
今日みたいに俺の車で一緒に来たなんて言ったら、まず 今日は俺と口すらきかないだろうな…。」
夏樹さんはリビングのソファーにすわりながら、ふんと笑った。
「よく分からないけど、俺って そんなに嫉妬深かったの? 教えてくれるかな 今までの俺がなつにどんな感じだったのか…。」
「えっ あー とにかく 溺愛っていうの…それ おまえの為にある言葉だったぞ…。なつさんもよく愛想つかさなかったよな~ 職場にまで迎えに来られて 門限つくられて、俺が女だったら耐えられないけどね…。」
夏樹さんの言葉に、圭司は信じられないといった表情で目を丸くしていた。
普通に聞いたら、圭司は束縛男のように見えるけど、これは今まで私が色々な事件に巻き込まれ散々怖い思いをしてきたからで、ただの束縛では決してない。
寧ろ 私への深い愛情だと幸せに思っていた。