婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

「あのね 圭司 私は全然、嫌じゃなかったよ
心配してくれたり、ヤキモチ妬いてくれたり
なんか 愛されてるって感じがして、結構嬉しかったし、幸せだった…。」

「やめときなよ なつさん また こいつ調子に乗っちゃうよ~ ほら こいつ なつさんの同期が大阪から戻ってきてから、すごかったじゃん…職場の飲み会なんて、すぐ 迎えに行っちゃってさ…いくら 昔 そいつになつさんを取られそうになったからって…あれは余裕なさすぎだろ~ アクアのNo.1はってた奴とは思えないよな~」

「でも それだって ヤキモチ妬かれないよりはよっぽどいいもん!!」

あっ…
つい 感情的になって大きな声を出してしまった…。

「あっ いや なつさんがいいなら…別に俺はいいんだけど…まあ よかったな 響 おまえの行き過ぎた愛情表現に付き合ってくれる奥さんで…記憶なんかなくても大事にしろよ。」

そう言って、夏樹さんが圭司の肩をポンと叩いた。
圭司は何かを考えているかのように、黙って口元に手を当てていた。

『ピンポーン』

玄関のチャイムが鳴って、ゆずちゃんと聖也さん達が日本酒の入った箱を持ってやってきた。

「すみませ~ん 遅くなって~ あっ これ 
皆で飲みましょうね!」

そう言って、ゆずちゃんはニコニコしながら、『久保田』と書かれた瓶を取り出した。

「何言ってんだよ ゆずは妊娠中なんだから飲んじゃダメだろ? 皆さんで飲んで下さいだろ!」

聖也さんがすかさず突っこんだ。
そう ゆずちゃんは今 妊娠4ヶ月。
もう少しで、安定期に入るところだ…。
仕事はギリギリまで頑張ると言って、聖也さんをハラハラさせている。

「分かってますよ~ ただ 口が滑っただけだもん!」

そう言って、ゆずちゃんはぷくっと頬を膨らませた。
すっかり 夫婦っぽくなった二人は、とても
微笑ましい…。

子供もできなくて、圭司からも愛されていない私には、二人は眩しすぎるくらいだ。


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