婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「あっ そうだ 瀬崎さん このノート、瀬崎さんの机の中から持ってきました。あと これは、瀬崎さんの取引先の方達の名刺です。裏に
プチ情報が書いてありますから、参考にして下さいね。」
ゆずちゃんはそう言って、圭司にノートと名刺を手渡した。
「ありがとう 凄いね 名刺の裏に色々書いてくれたんだ~助かるよ あれっ この文字…」
圭司は、名刺の裏に書かれた文字を見つめたまま言葉を止めた…。
「あー 実は、それ たまたま 昔アシスタントをしてたっていう人が会社に来てて、一緒に手伝ってくれたんですよ…。私だけじゃ 昔の取引先の事とかよく分からなかったんで、助かっちゃいました~。たまたま 今日だけ来てたみたいなんですけどね…。」
「そっか…。あー これホントありがとね!」
「いえいえ 私 瀬崎さんには凄くお世話になってましたから~。」
キッチンで二人の会話を聞いていた私は、激しい胸騒ぎを覚えた。
昔のアシスタント…。
名刺の裏の文字を見たときの圭司の反応…。
行きつく人物は、芹香さん…。
いや でも ロシアにいるはずだし…
「ゆずちゃ~ん ちょっといいかな…。」
私は、ゆずちゃんをキッチンへと呼び出した。
「あっ なつさん 何か手伝いましょうか?」
「違うの… えっと ここすわって。」
丸いすを出して、首を傾げるゆずちゃんを座らせた。