婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
翌日 仕事が休みだった私は、気分転換にと圭司を近所の公園へと誘った。
外はぽかぽかしていて、コートがなくてもちょうどいいくらいの陽気だった。
公園のベンチに腰掛けて、作ってきたお弁当を広げた。
「はい どうぞ…。」
私はサンドイチを圭司に手渡した。
「うまそうだね ありがとう…。」
おいしそうに頬張る圭司を見て、私の顔は自然と笑みがこぼれた…。
この人を誰にも渡さない…。
この人の隣は、ずっと私の場所なのだから…。
そう自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。
「あー すみませーん!」
遠くから声が聞こえ、足元にコロコロとボールが転がってきた。
顔を上げると、小さな女の子を連れたママさんが頭を下げながら、こちらへと走ってきた。
私はボールを拾い上げて、コロコロとママさんの方へと戻した。
「ありがとうごさいます~」
ニコニコしながら、そのママさんはパパさんと女の子の元へと戻って行った。
「いいな~ 子ども…。」
子どもを連れた幸せそうな家族を見ると、つい口から出てしまう…。
「じゃあ 作ろっか? 子ども…。」
「えっ?」
私は驚きながら圭司を見た。
「あ いや ごめん 今の俺とじゃ 嫌だよな
また 無神経なこと言ってごめん…。」
そっか…
この前 私が言った事、気にしてるんだよね。
謝りそびれてたし…。
今の俺とじゃっていうのは、私を愛してない俺とじゃっていう意味なのかもしれないけど…。
でも もう そんな事はどうだっていい…。
義務とか義理とかで、抱かれたっていいから、
圭司との子どもが欲しい…。
圭司がその気になってくれるなら…。