婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

翌日 仕事が休みだった私は、気分転換にと圭司を近所の公園へと誘った。

外はぽかぽかしていて、コートがなくてもちょうどいいくらいの陽気だった。

公園のベンチに腰掛けて、作ってきたお弁当を広げた。

「はい どうぞ…。」

私はサンドイチを圭司に手渡した。

「うまそうだね ありがとう…。」

おいしそうに頬張る圭司を見て、私の顔は自然と笑みがこぼれた…。

この人を誰にも渡さない…。
この人の隣は、ずっと私の場所なのだから…。

そう自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。

「あー すみませーん!」

遠くから声が聞こえ、足元にコロコロとボールが転がってきた。
 
顔を上げると、小さな女の子を連れたママさんが頭を下げながら、こちらへと走ってきた。

私はボールを拾い上げて、コロコロとママさんの方へと戻した。

「ありがとうごさいます~」

ニコニコしながら、そのママさんはパパさんと女の子の元へと戻って行った。

「いいな~ 子ども…。」

子どもを連れた幸せそうな家族を見ると、つい口から出てしまう…。

「じゃあ 作ろっか? 子ども…。」

「えっ?」

私は驚きながら圭司を見た。

「あ いや ごめん 今の俺とじゃ 嫌だよな
また 無神経なこと言ってごめん…。」

そっか…
この前 私が言った事、気にしてるんだよね。
謝りそびれてたし…。

今の俺とじゃっていうのは、私を愛してない俺とじゃっていう意味なのかもしれないけど…。

でも もう そんな事はどうだっていい…。
義務とか義理とかで、抱かれたっていいから、
圭司との子どもが欲しい…。

圭司がその気になってくれるなら…。




< 45 / 140 >

この作品をシェア

pagetop