婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
それから 一週間がたった。
その後 芹香さんからのメールもなく、圭司も特に気にしてる様子もなかったけれど、私の気持ちはどんどん沈んでいく一方だった。
不妊症という重い現実が私を追いつめていたから…。
圭司は松葉杖なしで歩けるほど回復したし、腕のギブスも今日で取れると言っていた。
『ギブスが取れたら、子供作ろっか…。』
圭司と交わした約束を思い出す。
いくら 私を抱いたって子供なんてできないのに…。
圭司を騙しているようで、胸が苦しい。
「なあ なつ 大丈夫か~? おまえ 悩むとすぐ 胃にくるもんな…。」
松井くんが、私の残したランチのお皿を見ながら心配そうに言った。
「うん 胃が痛くてね…。」
「あーあ なんか 昔を思い出すな… 俺さ
やっぱ おまえが辛そうなの見てられねーわ 泣かすんじゃねえって文句言ってやろうか…」
「やめてよー」
三年前の悪夢が頭をよぎる。
「うそうそ 冗談だって まあ それくらいムカつくっていう話…。あっ そういえば 今週の金曜 企画部とブライダル室 合同で飲み会みたいだけど、おまえ そんなんで出れんのかよ~。」
「あー でも 今回はこの前のイベントのお祝いだからね やっぱり出たほうがいいかなって
…大丈夫 お酒は飲まないから…。」
「そっか まあ 無理すんなよ…。」
「うん…。」