婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

松井くんと別れてブライダル室へ戻ると、尾崎くんが血相を変えてやってきた。

「大変です 瀬崎さん 霧島様が式をキャンセルしたいと仰ってるんですけど…」

「えっ 麗子様が!?」

私は慌てて、麗子様の待つカウンターへと向かった。

「麗子様 いったいどうされたのですか…?」

私の言葉に顔を上げた麗子様は、とても悲しげな表情を浮かべていた。

「あっ 瀬崎さん 色々やってくれたのにごめんなさいね…。申し訳ないけど、やっぱり式はキャンセルさせてもらえるかしら。」

「あの 麗子様… 本当にこれでいいんですか? 裕二様とはちゃんと話し合われたのですか?」

「いいのよ このまま結婚しても誰も幸せになんてなれないもの…。好きな人くらい…幸せにしてあげたいから だから 私は裕二を解放してあげることにしたの。なんて 本当は私が耐えられなくなっただけなんだけどね 私が欲しいのは、責任じゃなくて愛情なのよ…」

「麗子様…。」

「それじゃあ 裕二が来る前に私、帰るわね…
キャンセル料は私が払うって言っておいてくれるかしら…。色々 ありがとう…。」

そう言い残して、麗子様は去っていった。
麗子様が最後に見せた笑顔は、どこか ホッとしているような…そんな風にも見えたけれど…


 
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