婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

「じゃあ 慰めてやろうか…。」

突然 トーンの変わった松井くんの声にドキッとした。

「えっ…」

松井くんは、私の頬に手を触れた。

「いや あの そういう意味じゃなくて…もう
冗談やめてよ~」

「俺に慰めろって言ったら… こうなっちゃうんだよ だって 俺 まだ おまえのことが好きだから…。」

まっすぐな目で松井くんが私を見た。

「えっ だって 松井くん 彼女が…」

「遠距離なんて嘘だし もう 別れてる…
おまえがそばにいて、彼女となんか上手くいく訳ないだろ。でも おまえは俺じゃダメなんだよな…。だから 今度こそ おまえが旦那とうまくいくように俺が何とかしてやるから…。任せとけよ…。」

そう言って、松井くんは笑った。

「松井くん…」

そっか 
私は自分のことばかりしか考えてなかった…。

「松井くん ごめんね 私 無神経なこと言ってたよね…ずっと。」

「気にすんな あっ もうそろそろ 来る頃だから 準備しないとな…。」

「えっ?」

『ピンポーン』

「あっ はえーな! ちょっと ごめん!」

「えっ キャ! ちょっと やめてよ 何するのよ!!」

松井くんは、いきなり 私のブラウスのボタンを引きちぎり、ストッキングを破いた。

『ピンポーン』

そして 何度も玄関のチャイムが鳴る中、衝撃的な事を私に言った。

「これ おまえの旦那だよ おまえの携帯にしつこくかけてきてさ…出たら、住所言わされたんだよ…。すげー 怒ってたぞ…。俺も命がけだわ…。」
< 59 / 140 >

この作品をシェア

pagetop