婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
松井くんはそう言うと、私をベッドに残したまま、部屋を出て行ってしまった。
えっ!
ってことは…圭司がここに来るの!?
マズいよ
こんな格好じゃ…松井くんに襲われてたみたいじゃない!
あ でも…。
圭司とはもう夫婦じゃなくなるんだし…。
圭司だって、本気で怒ってここに来た訳じゃないよね…。
そう思っていると、リビングの方から松井くんの声が聞こえてきた。
「なんだよ 別れた旦那が何の用だよ…。」
どうやら、松井くんはインターホンで圭司と話しているらしい…。
「いるけど、帰りたくないってよ…。もう おまえの顔なんて見たくないって…。今 俺が慰めてるとこだから帰ってくんない? もう おまえも旦那じゃないんだから…俺となつがどうこうなろうと関係ないだろ?」
松井くんはそう言って、インターホンを切ってしまった。
ちょっと!
何てこと言うのよ!
いくら何だってそれはないでしょ
私は慌てて起き上がり玄関へと飛びだした。
勢いよく開けたドアの前では、圭司が目を見開きながら私を見ていた。
「なつ… おまえ 何された!」
あっ 忘れてた…
私は、とっさに大きく開いた胸もとを隠したけれど、圭司の目はみるみるうちに怒りの色へと変わっていった…。
そして 圭司はドカドカと土足のまま上がっていって、中にいた松井くんに殴りかかった。