婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「圭司 やめて!!」
「なつは黙ってろ おまえだよな 昔 なつに無理やり迫って、俺からなつを奪おうとした同期って奴は…もう二度とそんなことできないようにしてやるよ!」
そう言って、圭司は倒れ込んだ松井くんの胸ぐらをグッと掴んだ…。
「よく言うよ なつを散々泣かしておいて! 記憶無くして、いつまでも他の女の事なんか想いやがって…なつをどれだけ苦しめれば気がすむんだよ! おまえなんかより俺の方が、よっぽどなつを幸せにできるよ!俺はおまえと違って、なつだけを愛せるし、子供だって出来なくても構わない おまえがなつをいらないなら俺がもらってやるよ!」
松井くんの言葉に、圭司の手が緩んだ。
「なつ… こいつの言ってることって…どういう意味?」
圭司は振り返って私を見た…。
「えっ…。」
「俺だって なつのことだけを愛してるよ それに、子供が出来なくてもって何? なつ 何か俺に隠してない?」
圭司はゆっくりと私の方に歩いてきた。
「うそ 圭司は、芹香さんのことが好きじゃない! もう 私に気を使わなくていいから…」
「俺が好きなのは、芹香じゃなくて、なつだよ。昔の俺にこだわって、今の俺を受け入れられないのはなつの方だろ?」
なんだか 頭が混乱してきた。
圭司は私を…好き!?
えっー!!
「圭司は私を好きなの!?」
「だから 何度も好きだって言ってるだろ!」
「はいはい もういいよ そんな事だろうと思ったから! あとは、自分ちでやってくれる? なつもさ 子供のこと、ちゃんと勇気だして旦那に言えよ! おまえの旦那が受け入れられない訳ないから… ったく こんなに愛されてるのに、なつもどんだけ鈍感なんだよ! さっ もう早く帰れ!」
松井くんは圭司に殴られた頬を押さえながら、そう言うと、私達を玄関から追い出した。