婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
『…で なつさんの同期のことだっけ? 悪い 実際 俺もよく 知らねーんだわ。』
『は? 知らねーのかよ!』
あまりの無責任さにいい加減、腹を立てていると夏樹が慌てて話し出した。
『あー そうそう そう言えば、おまえよく言ってたな…なつの同期が何するか分からないから、気が気じゃないって…。』
『何するか分からない…?』
『おまえ 昔 そいつになつさんを奪われそうになったんじゃねーかな すごい 警戒の仕方だったし…。あー そうそう そいつ 昔 なつさんを無理やりホテルに連れ込んだことがあるとか言ってたかも 何もなかったみたいだけど、おまえ 結構根に持ってる感じだった。』
『ホテルに!?』
『なつさんもさ 結構 騙されやすいっていうか、男の罠に簡単に引っかかちゃうとこあるんだよね~ だから おまえも尚更心配だったんじゃねーの。まあ 俺にキスされそうな状況で寝落ちしちゃうくらいだからな~ あれ 俺じゃなかったら 絶対 あっ いや…』
夏樹は俺の顔を見た瞬間、ヤバいと思ったのか
口ごもり出した。
『ふーん おまえ なつにキスしようとしたことあるんだ~ へー 人妻にてー出すなんていい度胸してんね なんか無性に右手が疼いてきちゃったわ こっちの手は思い切り力も入るんだよね~』
『待て待て 俺は指一本触れてないからな…それにホストクラブに酔っ払っらって、入って来たのはなつさんの方なんだよ。俺は口説くのが仕事なんだし仕方ないだろ? この件は俺もなつさんも散々、おまえに謝ったんだし…もう 時効なんだよ…。あー 俺 もう店行く時間だから、そろそろ帰るわ じゃあな 響!』
そう言って、夏樹は逃げるように帰っていった。