婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

そんな 私と芹香さんのやり取りを見ていた圭司が呆れたようにため息をついた。

「なつ ダメじゃん そんなことバラしちゃ なつは何しに来たんだっけ? まあ 芹香の方は、なつをからかってるだけみたいだけどね 芹香もそろそろ呼んであげたら? あそこにいる彼、芹香の恋人なんでしょ?」

圭司が顔を向けた先には、ニコニコしながらこちらに手を振る外人さんの姿があった。

「はは そうなの 彼は私のフィアンセよ!
ごめんね なつさん また なつさんがお人好しなこと言い出すから、からかっちゃった」

そう言いいながら、芹香さんは金髪の彼に手招きをした。

彼は芹香さんを見つめながら席を立つと、微笑みながらこちらに向かって歩き出した。

その姿は、誰もが振り向いてしまうほど、可憐で美しい… 
もしかしたら 彼は芹香さんと同じバレエ団の人なのかもしれない…
姿勢もいいし、スラッとしていて、なんだかキラキラしている
彼に白いタイツを履かせて踊らせたら、完璧な王子様だ…。

こんな素敵な人がいるのなら、今更 圭司に未練なんてある訳がない。
ようやく 肩の力が抜けていった。

「圭ちゃん 私ね ちゃんと 圭ちゃんに愛されてたって分かってるよ… それに、2回も背中押してもらって、すごく感謝もしてる…。ありがとう…。」

芹香さんは、ゆっくりと歩いてくる恋人を見つめながら、ぽつりと呟いた。

「そうか…。」

圭司は、ホッとした声でそう答えた。






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