婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

「そう言われても…」

圭司が何を言いたいのか、いまいちピンとこない…。

私が必死で考えていると、圭司はハンドルを切って人気のない場所へと車を止めた。
どうしたの?と運転席に顔を向けると、すっと私の頬に圭司の手が伸びてきた。

「教えてあげるよ… 俺が妬いてる理由…。」

圭司はそう言いいながら、私に顔を近づけた。
そして 私の頬に唇をつけ、そっと舐めた。

「あっ 分かった…。」

そこは、さっき レイモンドさんが別れ際、私に口づけたところだった…。

「でも あれは、レイモンドさんの国の挨拶だって…芹香さんも言ってたじゃない…。」

私の言葉に圭司は唇を離した。

「そうだね でも なつが照れて顔を真っ赤にさせてれば、ただのキスと同じだよ… なのになつは、俺の気も知らないで、王子王子って浮かれてるしさ… さすがにちょっと ムカついてるんだけど…」

そう言って、今度は私の耳に噛みついた。

「イタッ…」

「お仕置きだよ 俺以外の男にドキドキした罰
…」

「も~う 私レイモンドさんにドキドキなんてしてないよ 確かにさっきは恥ずかしくて、顔が赤くなったのは認めるけど… 圭司以外の人にドキドキなんてするはずないじゃない。それに 浮かれてるように見えたのは…たぶん…」

「たぶん なに?」

圭司が首を傾げながら、私を見つめた。






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