〜彼は虹に変わった〜
放課後になって明梨が私の席に来た。
「亜希?ボーッとしてどうしたの?」
こんな無表情な私のことを何故か明梨はどんな感情かを汲み取ってくれる。
「んーん、なんでもないよっ」
「そっか」
少しすると箕川先輩と相田先輩が迎えに来た。
廊下に出るとすごい女子の数。
すこし怯む。
でも、私はこういう視線に慣れてる。
明梨は、普通にいつも通り。
校舎を出ると2人はチャリを持ってきた。
まさか……
そうそのまさかです。
二人乗りになっていました。
私は、相田先輩の後ろ。
明梨は、箕川先輩の後ろに乗った。
私は、男子と二人乗りなんて初めてですごくドキドキしていた。
「亜希ちゃん、ちゃんと掴みな?」
私は、荷台に捕まっていると相田先輩が後ろを振り返っていった。
「大丈夫です。」
「だめだっ危ないでしょ?ほらっ」
相田先輩は、私の手を掴んで腰にてを回した。
私は、ドキドキしていた。
二人乗りってだけでドキドキしてるのに腰に手を回すなんて……。
「よしっ行くよ?」
先輩は、自転車をコギ始めた。
私は、ビックリして先輩の腰をギュッと握っていた。
「いい匂い………」
私は、そんなことを口にした。
「なんか言った??」
「いえ、なにも」
「そっか」
先輩は、また笑顔になった。
自転車をコイですぐのところに携帯ショップを見つけた。
自転車を置いてショップに入った。
「どれがいい?」
箕川先輩が寄ってくる。
そして、3人が私の顔をまじまじと見た。
いや、そんなに見られても……。
「えぇっと…じゃー、これで」
私が指さしたのは近くにあった白のスマホ。
前から、少し気になっていた。
「OKじゃー、ちょっと待ってて」
そう言って箕川先輩は買いに行った。
少し待ってると上から手が伸びてきた。
「はいっ」
「あ、ありがとうございます。」
「どういたしまして」
私は、携帯を受け取った。
3人は、同時に携帯を取り出した。
「赤外線で交換しよ?」
明梨が言って来た。
私も、明梨とはそのつもりだったけど……
何故か、相田先輩、箕川先輩とも交換した。
明梨も二人と交換したみたい。