〜彼は虹に変わった〜
それから、私は相田先輩に送ってもらった。
明梨は箕川先輩に。
帰り道相田先輩が聞いてきた。
表情のこと。
「ねぇ?どうして亜希ちゃんは笑わないの?」
「えっと……私できないんです。表情を作ることが…」
なんでだろう?
涙が出てくる。
辛いことなんてない。
なのに、先輩の声を聞くと苦しくなる。
「どうしたの?」
先輩は、ビックリして自転車を止めた。
箕川先輩と明梨は、)もうとおくのほうにいた。
「ご、ごめんなさい、気にしないでください」
私絶対におかしい。
だって、いきなり泣くなんて…。
今までなかったし。
「だいじょうぶ??」
先輩は、私の目線に合わせてくれる。
私は、俯いて手で顔を覆った。
「大丈夫だから」
先輩は、私のことを抱きしめた。
私は、いきなりのことでびっくりしていた。
だって、こんなに有名な先輩に抱きしめられるなんて思ってもなかった。
そして、私が泣き止むとすぐに送ってくれた。