〜彼は虹に変わった〜
三人で一緒に帰っている間に琉斗と相田先輩は、いつの間にか仲良くなっていた。
「ええ?優真さん中学ん時野球部だったんすか?」
すごく楽しそうに話している琉斗を見ていて元気じゃんと、心の中でツッコミを入れた。
「一応ピッチャーだったよ」
ピッチャーだったんだ。
すごいな……。
でも、今の先輩では野球部やってたなんて想像つかないな?
先輩は、背が高く軽くセットしてある茶色い猫っ毛の髪。
色が白い顔。
全然想像がつかないなっ
「姉ちゃんっ優真さんに少し家に上がってもらっていいよね?」
「うんいいよ」
………………?
優真さん……相田先輩が家に?
なんで???
まぁ………でも、いっか。
なんかお茶菓子あったかな?
私は、そんなことを考えて玄関の鍵を開けた。
「どうぞっあまり片付いてはいませんが……。」
私は、相田先輩をリビングに案内した。
「琉斗っ着替えてきなっ」
「うんっ」
琉斗は、すぐに二階に走って上がって行った。
私は、台所に行きお茶菓子を探した。
んーと………
あ、あった!!
少し探すと上の戸棚からかりんとうが出てきた。
私は、それをお皿に移してお茶と一緒に持って行った。
テーブルに置いて直ぐに琉斗が降りてきた。
琉斗は、相田先輩の前に座って楽しそうに話している。
こいつ風邪じゃないの?
私は、そんなことを思いながら自分の部屋に行った。
「学校どうしよっかな。」
私は、フッと学校のことを思い出して携帯を見た。
時計が指しているのは10:05…。
どうしよっかな……。
休むか……。
私は、下に降りて受話器をとった。
学校に電話をかけて先輩に声をかけた。
「先輩、学校どうするんですか?」
「友達にメールしといたっ休むって」
適当な人だな……。
そんなことを思っていると琉斗が倒れこむように横になった。
私は、慌てて琉斗に近づいた。
「「琉斗っ」」
私と相田先輩は同時に言って琉斗ところに駆け寄った。
琉斗は、顔を真っ赤にしていた。
私は、琉斗のオデコを触った。
「結構ある。」
私は、琉斗を病院に連れて行こうか迷った。
相田先輩は、少し考えた後どこかに電話をかけた。
「そう、そう、おう、すぐ来て悪いなっじゃー、よろしく」
先輩は、すぐに電話を切って琉斗をソファーに寝かせた。
「亜希ちゃん、すぐに車が来るから病院の診察券とか、用意しといてくれる?」
「はい。」
私は、考えている暇はないと思ってすぐに先輩に言われたとおり2階に上がって保険証などを持ってきた。
「お金は………大丈夫だ。」
私は、カバンに全部詰めて下に下りたとき丁度呼び鈴がなった。
相田先輩が琉斗をおんぶしてリビングから出てきた。
「あ、亜希ちゃんっごめんっ玄関開けてもらっていい?」
「あ、はい。」
私は、階段を駆け下りて玄関のドアを開けた。
すると、家の前に黒いバンが止まっていた。
玄関から出ると、黒いバンの助手席の窓があいた。
「優真っ早く乗れっ」
「サンキューなっ」
あ、箕川先輩っ
相田先輩は、ドアを開けてすぐに琉斗を乗せた。
「亜希ちゃんっ早く乗って」
私は、先輩に手を引かれて車に乗った。
私の後すぐに相田先輩が乗っかって来た。
「兄貴っ近くの病院に行ってくれっ」
相田先輩が、兄貴と呼んだ人は何も言わず車を出した。
私は、何も考えられず琉斗を抱きしめた。
「あ、ここ左に曲って」
相田先輩が、お兄さんに支持をする。
でも、私にはその声は聞こえていなかった。
気が付くと行きつけの病院についていた。
相田先輩は、ついてすぐに琉斗をおぶって病院に入って行った。
私は、先輩についていくことしかてきなかった。
すぐに見てもらえることになった。
「ああ、とりあえず。マスクしてもらっていいかな?」
「先生病状は。」
私は、先生に聞いた。
先生は、すぐに病名を教えてくれた。
「琉斗くんは、感染性胃腸炎ですね。お薬2週間分出しときます。家で様子見ていてください。」
胃腸炎か………。
「わかりました。」
すぐに薬が出て相田先輩のお兄さんに送ってもらった。
家についてお礼を言って別れた。
「琉斗、肩に捕まって?」
「う、ん………」
弱弱しい琉斗の声。
私は、琉斗の手を自分の方に回した。
2階に上がって琉斗を部屋に寝かせた。
「琉斗、お粥作ってくるから待っててね。」
私は、下に降りて台所に向かった。
「冷蔵庫になんかあったっけ…。」
冷蔵庫を開けると卵と牛乳、麦茶、梅干しとまぁ、適当な物しかない。
はぁ、お粥に卵入れるか。
私は、すぐにおかゆを作って、琉斗の部屋に持って行った。
「琉斗、持ってきたよ。早く食べな。」
テーブルにお粥と、薬を置いた。
そして水も。
部屋を出て私は自分の部屋に戻った。
ベットに転がっているとウトウトして私は、寝てしまった。