〜彼は虹に変わった〜
私達は、ご飯を食べてショッピングモールに行った。
「京介くんっ映画見よう!」
「おっ、いいねっ」
え?映画?
映画見るの?
「あたしはいいや」
「え?行かないの?」
「うん。3人で見てきていいよっ」
私がそう言うと箕川先輩と明梨は顔を見合わせた。
「じゃあ、京介と明梨ちゃんで見ておいでよっ俺は亜希ちゃんとどっか見てるよ」
「亜希?それで大丈夫?」
「え?えっと………」
私は、相田先輩と2人で一時間半一緒ってこと?
どうしよ?
でも、明梨の邪魔したくないし…。
「うんっ大丈夫だよ。」
「じゃあ、映画終わったら電話するね?」
「分かったよ」
私達は、映画館の前でわかれた。
少し相田先輩と歩いていると周りの声が聞こえてくる。
『あの人かっこいい!』
私は、その声を聞いて先輩をみた。
先輩は、楽しそうにしている。
少し長めの髪でフワッとセットしてある。
猫毛でフワフワしている髪。
二重の切れ長の目。
長いまつげ。
薄めの唇。
すごくかっこいい。
「どうしたの?」
「あ、いえ、なんでもないです。」
見つめすぎたかな?
私は、また下を向いて歩き出す。
「ねぇ?どこか見たいところある?」
「んー?私は別にないです。先輩は?」
「んー?俺もないかな?」
私は、また歩き出そうとした時先輩が私の手握って微笑む。
「はぐれると大変だからね?」
「え?」
先輩は、普通に歩き出した。
逸れるわけないのに……。
でも、私は嬉しくて歩き出す。
私相田先輩と手を繋いでるんだ…。
それだけで何だか胸のあたりがポカポカする。
「ねぇ?亜希ちゃん?」
「なんですか?」
「亜希ちゃんの手ってちっちゃいね?」
笑いながら言ってくる先輩に私は顔が赤くなる。
きっと、周りからみると真顔で顔が赤い変なふうに見られるんだろうな?
とか、変なことを考える。
「そんなことないです。先輩の手が大きいんですよっ」
「そう?亜希ちゃんの手が小さいんだよっ」
また、クスクスと笑ってる。
なんか、恋人みたいだな……。
「先輩?先輩は、なんで彼女作らないんですか?」
「………………」
あれ?先輩は、なんだか悲しそうな顔をしている。
聞いちゃいけないことだったかな?
私は、いいですといおうとした時に先輩は、口を開いた。
「んー?好きな人がいないから……かな?」
「そうですか。」
先輩は、また笑顔になった。
さっきの悲しそうなかおは、気のせいだったのかな?
それから、私達は箕川先輩と明梨と合流した。