〜彼は虹に変わった〜


四人で話しているときは先輩は、楽しそうにしてる。
やっぱり、私の気のせいだったのかな?

「亜希?どうしたの?」

「え?あ、何でもない。」

「そう?」

私達は、ショッピングモールを出た。
なんか、先輩と気まずいな……。

「じゃあ、私は、京介くんちによってくから!ここでっ」

「え?」

「分かったよ!」

先輩は、笑顔で手を振ってる。
私は、固まったまま。
先輩は、私の手をひいて歩き出した。

「先輩……あの、さっきはごめんなさい……。」

「え?どうしたの?亜希ちゃん?」

先輩は、首を傾げている。
私は、先輩と合った目を逸らした。

「その、何でもないです。」

私は、ドキドキしている。
なぜだかは分からないけど。
先輩を見たりするとドキドキが止まらない。

「亜希ちゃん?亜希ちゃんは、好きな人とかいないの?」

「へ?」

考えたこともない。
今まで、人を好きになったことがなかった。
明梨くらいかな?
でも、それも友達としてだし……。

「どうしたの?!亜希ちゃん!!」

私は、なぜだか涙が止まらなかった。
ボロボロと溢れ落ちる涙を先輩は手で拭ってくれた。

「分から……ないんです……」

「うん」

言葉が溢れ出てくる。

「いま、まで……優しく……してくれ…るだん、しなんて、いなくて……」

「うん」

先輩は、ただ聞いてくれる。
自分で何言ってるか分からない。
でも、伝えたい。

「だから……すき、とかわからない。」

「そっか……」

私は、まだ泣いたまま。
でも、先輩は優しく頭を撫でてくれる。
ただ、それだけなのになぜだが心がポカポカする。

「ごめんね?変なこと聞いちゃったね?」

「いえ、私の方こそいきなり泣いたりして、すみません。」

私は、先輩の胸の中にいる。
先輩の、匂いは落ち着く。
緊張するはずなのに…。
緊張してるはずなのに…。
でも、なぜだろう?
安心する。



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