body
hair
「ねぇ、なんで髪伸ばしてるの?」
「さぁ…なんでかな…」
私の髪を絡ませながら彼が呟く。
「短い方が好きなの?」
「いや、そういう訳じゃないけどさ。ここまで伸ばすのって大変なんだろうなと思って…重そうだし首周り暑そうだし…」
仕返しとばかりに、私も彼の猫っ毛を弄る。
「髪に願掛けしてそれを続けると願いが叶うっていう言い伝え、知ってる?」
「何それ?」
「叶えたいことがあるの…その為。」
「ともの叶えたい事ってなに?」
「知りたい?」
真面目な顔をして答える。
「えっ…し、知りたい…?」
「あなたが離れていかないように。」
「えっ…」
真顔で薄っすら笑みを浮かべ、答える。
奇妙な空気が流れ始め、沈黙が流れる。
音のない空気が立ち込め、どんどん言葉から遠のいていく。
「ぷっ…あっはっはっはっ‼︎‼︎‼︎‼︎嘘‼︎嘘だから‼︎願掛けなんてしてないし。」
「もう、びっくりした〜」
「あの焦り様、笑いこらえるの必死だったんだから‼︎」
彼の顔が安堵の表情に変わり、ひと息つく。
「本当はね、『今日も良い匂いするね。』ってナオが顔うずめるじゃない…?/////あれされるのが好きで///だから髪切ったら…良い匂いしなくなりそうで…///」
「何それ//誘ってんの?」
「違う‼︎///」
「可愛過ぎでしょ。」
耳元で彼が呟く。
「んっ…///」
「何感じちゃってんの?」
「感じてなんかない///」
「感じてるよね。」
耳元で呟きながら、髪をかき分け、耳たぶを唇で啄ばまれる。
「やっ…あっん…///////」
「もう駄目。俺、この匂いに酔いそう。甘すぎて、噛みつきたい。」
「ちょっと待っ…」
「待てない。」
「あんっ…//////」
潤いのある艶やかさ
誘ってみせます、香りを髪にまとわせて…
hair/終