溺愛レンズ
ここに来てそれを聞くの…!?
昨日のその事についてはもうつっこまれないと勝手に思っていた私は思わず目を見開いて驚く。
「ち!違うんです!私はストーカーとかそんなんじゃないです!!いつもここで写真撮ってて…だから怪しい者ではないです!!」
ヤバイって!もし警察に通報とかされたら本気でヤバイって。
「ストーカー何て言ってない、何で撮ったか聞いてるだけ」
慌てふためく私を、あきらかに迷惑そうな声を出してくる彼だけど…その表情は何故かとても真剣に見えて…
私は気がつくと口を開いていた。
「綺麗で」
「は?」
「あなたが…あまりに綺麗で」
「…………」
「……儚くて、今にも消えてしまいそうで」
「…………」
「まるでガラス細工のようだと…そう思ったんです」
「………っ…」
「そしたら思わず撮ってました」