溺愛レンズ



何故いるのかとか、何をしているのかとかそんな事よりも先に唖然と彼を見つめてしまって




「だから見えるって」





そうだ!!パンツ!!!



そんな彼の言葉にあり得ないほどハッとして勢いよく起き上がる。




「まぁ別に、興味ねぇけど」




そう吐き出された言葉は本当に興味が無いようで、すぐさま私から視線が外され




そしてそのまま何を言うんでもなく私の横にしゃがみ込んだ。




「こいつ」



「え?」



「可愛いな」




長く綺麗な人差し指でニャンコの喉を優しく撫でているその横顔は、今まで見た事のある無表情とは違い穏やかでいて優しげで…ゆるりと柔らかく片側の口角を上げている。





まさか、この人からニャンコが可愛いなんて言葉が出てくるとは思ってなくて




いつもどこか不機嫌そうで…悲しそうで…脆そうで…そんな彼がこんなにも穏やかな顔をするとは思っていなくて…





パシャっ





思わず持っていたカメラのシャッターを切ってしまった。




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