溺愛レンズ
「じゃあレイ、また明日ね!」
ヒラヒラと手を振りながら体育館へ向かっていくアキラちゃんを見送ると
私はスクールバッグとカメラを持って学校を出る。
今週中にはコンクールに出す作品を決めちゃわないといけない。
でも良い写真が全く撮れない
撮れないというよりまずテーマが全く決まらなくて困っているわけで…
ザワザワとした都会の中では珍しい少し高台の上にある公園は街一体が見渡せる景色
ここが私のお気に入りの場所。
木製のベンチにスクールバッグを置くと
カメラを首から下げてレンズを覗き込んだ。
やっぱり今日は本当良い天気だな。