溺愛レンズ



それから有馬さんとは少しずつ色々な話をした。




年齢は21歳で、好きな食べ物はトマトだとか。サッカーを見るのが趣味だけれど、自分はやらないとか。




そんなささいな話し。






誰でもするような…そんな話し。





だけどやっぱり心地が良かった。
それはここに居るからなのか…それともここの良さを分かってくれる人だからなのか。




はたまた、有馬さんの独特な雰囲気が私をそうさせてるのか。





それは分からないけれど、なんだか落ち着ける時間だったように思う。





有馬さんとは、その後三回ほど会った。




私は2、3日に一度来ているけれど毎日来てるわけではなくて、だからもしかしたら私がきていない時にも有馬さんは来ていたのかもしれない。




けどここ二週間…めっきりそんな彼の姿は見なくなった。




別に元々ここに人が来ることなんかほとんどなくて、だからこれが普通だと言ったら普通で





だけど彼が来なくなってしまったことに、少し心がモヤッとする。




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