溺愛レンズ



「レイちゃーん、ジャガイモ取ってー」




「はぁい!!」





今日からうちの学年は二泊三日の野外学習で
、今は1日目の夕方、カレーライスを作っていところだ。




残念な事に先生の決めた班のため、アキラちゃんとは違う班になっちゃったけどそれなりに楽しくやっている。





「杉咲、この後どうしたらいい?」




後ろから声をかけてきたのは、ざるに入ったニンジンを持っている佐伯。




名前順のため、同じ班になった佐伯とは、あれ以来良く話すようになっていた。





「あ!それは美由紀ちゃんに渡してきて」




「分かった」





そう言ってそのままザルを持った佐伯はくるりと半回転して私に背を向けると、スッと顔だけこちらに向けてもう一度私を見る。






「杉咲っていつものんびりしてるイメージだけど、こういう時はテキパキしてんだな」





どこか意外そうに、だけど楽しそうに佐伯はそう言うと、私の答えを聞くよりも先にそのまま歩き出して行ってしまう。




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