溺愛レンズ
見上げた有馬さんの顔はやっぱり信じられないほど綺麗でカッコよくて、だけどなんだか凄く近い存在に感じた。
そんなふうに頭を撫でられ、思わす笑みを向けた私だけど
「ちょっと待った君達!まさか付き合ってるとか言わないよね?」
聞こえてきた声はすぐ側からのモノで、さきほどまでそこにいた男性の声だった。
「え?」
つ、付き合ってるって…私と有馬さんが!?
いやいや!そんなわけないじゃん!!
なんて言う暇もなく、目の前の男性は焦ったように私に触れていた有馬さんの手を離す。
「カナデ、分かってるよな?こんな時期に熱愛なんてシャレにならないぞ」
だから…付き合ってないって。
男性の言葉に有馬さんはというと否定も肯定もするそぶりを見せないもんだから、男の人はさらにヒートアップしたのか
「聞いてるのか?とにかく記者に写真なんてとられたら大変だから君も帰って」